ドルチ

隠れ料理人による救済

夫は思い立つと料理をしだすタイプの男だ。
母子家庭育ちの上の子とあれば、必要に迫られる場面も少なくなかったに違いない。
調理後の後始末にはちょっとした問題もあるものの、そこだけ目を瞑れば料理上手だよなあ…
そう思いながら、丈足らずなエプロン姿の巨人を眺めた。

何を根拠にそう思うのかというと、貝類の砂抜きがとても巧い点にある。
私は、彼が隠してきたそのスキルがうらやましい。

週3日、朝に頂く味噌汁はだいたい彼の作品だ。
作り方を見学させてもらう限り、お味噌の量はいつも大きめスプーンにドカ盛り1杯で決まってしまう。
微調整もなしに大成功かよ!!
…実を言うと、彼のこのスキルこそが何よりもうらやましい。

そんな訳で、彼の作るアサリの赤だし、桃の節句のハマグリお吸いは格別だ。悔しいけれど、認めるし絶賛もする。ハマグリのお吸い、毎年作って欲しいから…!

そういえば、と思って「ご飯とお味噌汁の他に得意料理はありますか?」と訊いてみた。
ボンゴレ…と夫は短く答えたあと、ビアンコが好みだがロッソも作る、と補足した。

貝だ…なんかめっちゃ貝好きだぞこの男…

今日の晩御飯のリクエストは無事、受理された。

「付け合わせには野菜が欲しいなあ」高騰ゆえに今もっとも危険なこの一言により、サイドメニュー選定の議論はもう少し続く見込み。

2018-02-15 16:10:20