育児の悩みにつきものなのが夫のこと。育児をしてくれない。たまには夫にも子どもを見てもらいたい…。どんなに仲が良さそうな夫婦でも、夫に対する不満が噴出しますよね。

ままのわの読者の方からも、こんな投稿がありました。

仕事が始まると自分の時間がなくなります。

こどもがちょこちょこ病気になるので自分の用事では年休を絶対につかえません。
自分の予定を入れるためには、夫や母と調整してこどもを預けないと髪すら切りに行けません。

夫にも「ごめんね!こどもをみててもらえる!」とお願いすることばかりです。
でも、私だって「ごめんね」と言わないでつかえる自分の時間がほしいです。
二人のこどもですよね。

夫にも「よろしく」といえる時間の作り方が知りたいです。

そこで、今回は育休後コンサルタントとして、企業や自治体へ数多くのセミナーなど多岐にわたり活動している山口理栄さんに、夫との育児分担の方法について伺いました。

夫に育児の大変さを伝える方法とは

ポイントは3つ!

この質問を読んだ山口さんは、最初にきっぱりとこう言っていました。

「この方は自分ひとりで育児をするという思い込みから解放されなくてはなりません。育児は夫婦でするもの。夫に申し訳ないと思う必要はありません

また、“子どもがちょこちょこ病気になる”という状況でも、夫に「ごめんね」と言わなくてもよくなる、解決方法を提案してくれました。それが以下の3つのポイントによる、夫との育児の分担です。

  • 保育園の送り迎えは朝と晩、それぞれ夫婦で交代制にする
  • 子どもが病気の時は、夫婦が交代で休む
  • 保育園からの呼び出し電話は、迎えに行かない方が受ける

山口さんによると、この3つを実施することで、妻側の負担はぐっと軽くなるそうです。

このうち3については、例えば妻が呼び出し時に迎えに行くことが多い場合は、保育園からの連絡先を夫の電話番号にしておくということ。そして呼び出しがあったら、夫から妻へ連絡するようにします。一見遠回りなように見えますが、この分担をすることで、夫が育児の大変さを痛感できるのだとか。

「『子どもが発熱した』という保育園からの電話には毎回ビクッとしますし、『参ったなあ』というのが正直な気持ちです。事後報告ではそういう感情面での負担を実感しにくいのですが、実際に頻繁に呼び出し電話を受けると、『こんなに大変なのか』と夫も実感することができます」

これにより、夫に「協力しよう」という気持ちが自然と湧いてきて、育児の分担をお願いしやすくなる効果も期待できるそうです。新学期がはじまる今こそ、提案をしてみてほしい育児の分担方法ですね。

夫も子どもと過ごしたいと思っている

さまざまな企業や自治体でセミナーを行っている山口さん。そこに来ている「夫が育児をしてくれない」という不満をもつ妻に、「あなたの夫はお子さんが好きですか」と尋ねると、ほぼ全員が「好き」と回答したそうです。

「夫も育児に積極的に関わりたいと思っています。しかし、妻の多くは、夫のことを頼れることに気が付いていない。確かに大概の女性は柔軟性があるので、育児も家事もそつなくこなせてしまう人が多いですが、男性は最初から上手にできないことも多いもの。力になりたいのにやり方が分からないんです。そのことを妻は理解し、きちんと教えてあげましょう」

育児は大変なことがクローズアップされてしまいがちですが、嬉しい場面や楽しいシーンに遭遇することだって多いですよね。子どもと過ごすと、オキシトシンというストレスを消す幸せホルモンが分泌されるといわれています。ただ、このホルモンを分泌させるには、ある程度の時間を子どもと過ごす必要があるそうです。

「夫にも育児をする権利があります。申し訳なく思う前に、まずは夫にも育児にしっかり関わってもらうことを、妻も意識しなくてはなりません」

夫のやる気を削いでいませんか?

山口さんは、「実は妻が夫のやる気を削いでいる可能性も捨てきれません」とも話していました。

夫はもっと子育てに関わりたいけど、やり方がわからないので何もできない。そのため、妻が育児も家事も全部自分で抱え込んでしまったり、夫がやってくれたことを妻がやり直したりしてしまうのですが、結果として夫のやる気が削がれてしまい、何もできない状態になってしまうのだとか。

「例えば、夫に洗濯をお願いするのなら、洗濯に関することを全て夫に任せてみてはどうでしょう。もし洗濯機の買い替え時期なら、乾燥機付きにするかなどの機種選定、洗剤の選び方、洗い方などを任せてしまうのも手です。夫のやり方に口をだしてしまうと、せっかくやろうと思ってくれた気持ちが萎えてしまうので、どんなに気になることがあっても目をつぶるのが大切です。育児や家事を分担し、すべて任せれば、自然と夫も主体的にやってくれるようになるものです」

育児に疲れたママの中には、子どもを寝かしつける時間に夫が帰ってくるので、いっそ深夜に帰ってきてほしいという方もいました。

「その場合はきちんと夫に、『〇時には寝かしつけるので、子どもと遊ばないでほしい。むしろ、子どもを寝かしつけてほしい』とお願いしておきましょう。育児をしたいと思っている男性がほとんどなので、ちゃんと言えばすんなりと理解してくれることが多いですよ」

夫に申し訳ないと思うよりも、むしろ積極的に役割分担を提案してみてはいかがでしょうか? 夫も子どもともっと触れ合いたいと思っているに違いありません。

■専門家プロフィール:専門家:山口 理栄 (やまぐち りえ)
育休後コンサルタント®。総合電機メーカーに入社後、ソフトウェア開発部署にてソフトウェアプロダクトの開発、設計、製品企画などに従事。2度育休をとり、部長職まで務める。2006年から2年間、社内の女性活躍推進プロジェクトのリーダーに就任。2010年6月育休後コンサルタントとして独立。企業や官公庁、自治体向けに、育休後職場復帰セミナー、育児中の部下をもつ管理職向けセミナー、ライフイベントを前提としたキャリアデザインセミナーなどを提供している。育休後カフェ®を主宰。


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