子育て中に職場復帰をしようとすると、夫のサポートが必要になります。育児休業中は家事や育児がママに任されがちですが、いざ仕事を再開しようとして、それらをどう分担しようかと焦っている人も多いのではないでしょうか。

「ままのわ」の読者からも、こんな投稿がありました。

復職を控えていますが、
夫が育児や家事など含めて全く何もしてくれません。
早く帰ってきても、椅子に座ってテレビを観たりスマホを触ったり。
期待するとイライラするので、何も期待していません。

でも、仕事をしながら私一人でこなせるのかすごく不安になっています。
夫に協力してもらうためには、どういう風にお願いなどをしたらいいのでしょうか。

 

そこで今回は、多方面で注目を集める「花まる学習会」の代表として、数多くのお子さんを導いてきた高濱正伸さんに、子どもとの接し方についてのアドバイスをいただきました。

■男性は「異星人」だと考えるべき

高濱さんの元にも、よくママから夫に関する悩みが寄せられているようです。ママはただ話を聞いてほしいだけなのに、夫は要点や結論にしか興味がない。「問題点がなかったら話さないでくれる?」とい言う夫もいるのだとか。そこで、高濱さんがアドバイスしているのは、「男性と女性は全く違う生き物なのだ」という意識改革が必要だということです。

男女の間には大きな違いがあり、男性のほうが物事を論理的に考える傾向があります。女性が“答え”を求めていないときでも、男性は解決策を示そうとするので、二人の会話は噛み合いません。結局、母親の気持ちは少しも分かってもらえないまま、イライラだけが募っていきます。

「相手も同じ人間だから分かってくれるはずと思いがちですが、それが大きな落とし穴です。いっそのこと、違う星で育った“男”という別の生き物だと思うようにしましょう。話を聞いてくれなかったり、気持ちを理解してくれたりしないときには、『だって“男”だもん』と思うことが大切です。それだけで気持ちが少し楽になりますよ」

■イライラの解消には“手紙”が効果的

現状ではまだ夫との対話が成り立っていることから、「この投稿者のご夫婦であれば、まだまだ修正はきく」と感じたという高濱さん。しかし、夫が家庭から逃げたりして、お互いに向き合うことのない夫婦は上手くいかないようです。話し合いができるのは「何とか分かり合いたい」という状態なので、伝え方を工夫することで、夫が変わる可能性は十分にあるとのことでした。

そこで、高濱さんがオススメするのが、“手紙”で想いを伝えるということ。いかに自分が大変かを、実際の出来事と一緒に文字にすることが有効だそうです。心情を察するのが苦手な男性でも、要点を読むことで、全体像を把握しやすくなります。また、女性側も手紙を書いているうちに、自分が何に傷ついているのかを整理できるので、気持ちの発散にもつながります。

「夫は妻の大変さを何となく知っていますが、イライラした態度で『家事をやって』と言われても動こうとしません。しかし、文字で伝えられることで、その切実さを“情報”として認識することができるのです。一般的になかなか腰の重い夫たちですが、その一方で納得できればとことんやるようになります」

高濱さんの会社でも、ある女性社員が日報――問題意識を書き溜めるシステムに投稿した内容に男性社員たちが釘付けになり、母親の大変さに改めて気付かされることになったのだとか。それは、例えば以下のような内容です。

「そっと起きて、寝室をあとにするも、眠りが浅くなったときにそばに居ないとわかると(いるかどうかを足で蹴ったり、手でバンバン布団を叩いて確認)、ギャーと泣いて起きて、居間まで追いかけてくる。寝かしつけるために、また寝室に一緒に戻って……」

なお、文章で伝えるときは、「男性を意識して要点を先に」などと考える必要はないそうです。自分が思うままを切実に書けばいいとのこと。「旦那さんのここがイヤ」、「私はこう感じているから、こうして欲しい」など、自分が思いを切実に書くことがポイントなのだとか。

■夫婦で話し合う時間をスケジュールに書き込む

夫婦関係が上手くいっている家庭は、喧嘩やすれ違いを繰り返しながらもコミュニケーションを意識的にとっているもの。しかし、共働きで忙しい家庭では、その余裕がないのが現実かもしれません。そこで、高濱さんがオススメしているのが、コミュニケーションの予定を組むこと。家族のスケジュールカレンダーに話し合いの時間を書き込むことで、一緒に子育てをしているという意識を夫にもたせることができるそうです。

男性は予定に入れたことは、忠実に実行しようとする生き物。重大なことであれば、話し合いの日まで予定に書き込んでしまうのです。女性としては、「話したいときに聞いてほしい」と思いがちですが、コミュニケーションの作法が違う夫にそれを求めるのは難しいのだとか。

「男性は一度決めたことや手順は、最後まで貫きたい生き物です。基本的には家族のために忠誠を尽くすので、その部分を上手く生かしてほしいですね」

「朝ごはんだけは一緒」、「週末の土曜日はTVを消して家族の会話を楽しむ」というように、習慣として夫婦で話す時間を作っている家庭もあるのだとか。スケジュールの共有方法は、アプリやホワイトボード、伝言板などいろいろな方法があるので、できるところから実践してみてはいかがでしょうか。

 

【Profile】
高濱 正伸 (たかはま まさのぶ)

花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会理事。
「メシが食える大人に育てる」という教育理念が多くの支持を集め、父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」(テレビ東京)などのTV番組にも出演。
主な著書に、『働くお母さんの子どもを伸ばす育て方』(実務教育出版)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版)、『夫は犬だと思えばいい。』(集英社)など


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