保育園にこれからお子さんを預けようとする方は、きっと不安な気持ちで一杯でしょう。私は2人の娘を計4ヵ所の保育園に預け、10年間送り迎えをしましたが、最も不安だったのが、初めて長女を産休明け前の慣らし保育に連れて行ったときでした。

辛い思いを救ってくれた、先生の一言

会社でも初の産休取得。いよいよ職場復帰を控え、周囲からの固定観念からくるさまざまな声に戸惑い、自分自身も、知らぬが故の先入観に悩まされていました。「保育園に預けることに決めたけれど、本当にこれでいいのよね。自分のほうが、さびしくなってしまわないかな」と。

園内の説明がひととおり終わり、まずは数時間だけ離れ離れになることに。そして、初めて保育士の先生に長女を手渡したとき、ご多分に漏れず切なさに胸が熱くなりました。……が、すかさず先生ののんびりとした声での一言。

「お母さん、今ね、あぁつらいと思ったかもしれないけど、すぐね、あぁありがたいって思うようになるよ。だいじょうぶ!」

その言葉に包まれたとたん、園内のあたたかな雰囲気や優しい物音が私たちを歓迎してくれているように感じられ、ここの一員になれた気がしたのでした。

翌日から、さらにだんだんと長く預けていく慣らし保育を重ね、「この安心感あふれる環境は我が子にとって良くないはずがない」……そう確信した私は、心から「お願いします!」とにこやかに預けることができるようになりました。

親の不安感の有無は子供に伝わる

4年後、次女も保育園に預ける時がきました。長女とは別々の初めて行く園でしたが、私のほうも保育園の良さを十分に分かっていますので、「あぁありがたい」と感謝しながら慣らし保育へと向かいました。

すると次女が、初めて会う園長先生や担任の先生、ほかのお父さん、お母さんたちにニコーッと笑顔を振りまくではありませんか。その日の連絡帳に、「まだ家族以外、あんまり会ったことはないのですが、何か分かるのですね」と書きましたが、私の心持ちが伝わったのもあるでしょう。その後も毎朝、別れ際も穏やかに、無事、通常保育へと移行することができました。

愛情表現のセレモニーとの割り切りも必要

その後の2人の、朝の様子はというと、ほとんどが保育園に着くなりバイバーイ!と一目散にダッシュ。出掛けに多少何かあっても、大好きな先生やお友だちと会うと、すぐに切り替わり、お遊びモードに。

小さいうちは休み明けなど、くっついて泣くこともありました。でもそんなときは、先生方やほかの親御さんたちともよく言っていましたが、「愛情表現のセレモニー」と割り切って、親の方がグズグズしないことです。結局、心配しながらお迎えに行くと、「もっとおそく、おむかえきてよ!」なんて言われることばかりでした。

朝の別れ際は「あぁありがたい」の積み重ね

毎朝、「あぁありがたい」と思いながら、親子ともども通った保育園。たくさんのことを教えていただきました。転園や卒園の時、先生方の笑顔を見た途端にボロボロ涙が止まらなかったのは、いつも私の方でした。

(文・石黒みずえ)


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