2人目の子供を出産したとき、上の子は年長さんでした。2人兄弟としてはやや年齢が離れていたこともあり、小さな弟への嫉妬やお母さんを取られるというような不安を感じて、何かサインを発するということは少なかったように思います。妊娠中、そして出産後はどんなふうに上の子と接するようにしたのか、私の場合をご紹介します。

赤ちゃんの誕生を一緒に喜ぶ

あまりにも普通のことですが、「赤ちゃんが生まれてきたらお兄ちゃんと一緒に何をして遊ぼうか?」という話をして、兄も一緒に巻き込む中で誕生を心待ちにするようにしました。

「生まれてきたら、何をしてあげたい?」
「少し大きくなったら何をして遊ぼう?」
「お兄ちゃんのこと、何て呼ぶかな?」

など、とにかく赤ちゃんに関わることは何でも上の子に話し、一緒に考え、親子で楽しみにするようにしました。おかけで「年中さんくらいの赤ちゃん生んで。すぐ一緒に遊びたいから」というほど、生まれてくるのを一緒に心待ちにしてくれていました。

長男が赤ちゃんだったときの話をたくさんする

生まれてきたばかりのときは、ごはんが食べられなくてお母さんのおっぱいしか飲めないこと。まだ胃が小さいから一度にたくさんおっぱいを飲めないので、何回にも分けて飲むのだということ。だから夜中に泣いて起こされることもあるし、なかなか泣き止まないこともある。長男の生まれた頃の写真を見ながら、そんな話をたくさんしました。

うちの長男は、自分が赤ちゃんのときの話を聞くのが大好きだったので、そういった話の中から、赤ちゃんのお世話は大変だし、赤ちゃんは守ってあげなくちゃいけないという気持ちが自然と育まれたように思います。

急にお兄ちゃん扱いしない

数か月後に赤ちゃんが生まれるとはいえ、年が離れているということは一人っ子時代が長かったのも事実。今までは何でも自分が最優先だったものが、そうではなくなるのですから、子供にとっても気持ちの準備が必要です。

突然「もうお兄ちゃんなんだから」という扱いをされると、「しっかりしなくちゃ」と思うものの、どうすればいいか分からないはずです。私は逆に「お兄ちゃんになったら、赤ちゃんに何をしてあげる?」というように、自分でどうすればいいかを考えさせるようにしました。すると「さすがお兄ちゃん」とお兄ちゃん扱いしても、自慢げな顔をするようになってきました。少しずつ自分がお兄ちゃんだという自覚が芽生えてきたのだと思います。

お兄ちゃんを頼りにする

年齢が離れていない場合は、難しいかもしれませんが、子供だって頼りにされるとうれしいものです。生まれる前から「手伝ってくれるからすっごく助かる」というスタンスで接するようにしました。

出産後は、手伝ってくれたときや、自分で何かをしようとしたときに「助かるわ、ありがとう」という接し方を心掛けました。うちの長男は、だからと言ってそのまま自立した子に成長というわけにはいきませんでしたが、それまで甘えん坊だった子が「自分がしっかりしなくちゃ」と思ってくれる気持ちは、痛いほど感じられました。大好きなお母さんから頼りにされたら、子供はがんばってしまうもの。普段から頑張り屋さんのお子さんなら、がんばりすぎないように見てあげたいものです。

お兄ちゃんの本音を聞き逃さない

出産後、特に赤ちゃん返りすることもなく、長男の様子に変化は見られずほっとしていた頃。長男のある言葉にどきっとしました。
「赤ちゃんはいいなあ。何しても褒めてもらえるんやもん」
どういうこと?と詳しく聞いてみると、赤ちゃんはうんちしても褒めてもらえるし、ただ泣いているだけでも「大きな声やね、元気やねー」って言ってもらえる。ぼくはそんなことくらいじゃ誰も褒めてくれないのに……、ということでした。

お兄ちゃんになると、褒めてもらうまでのハードルが高くなって大変だ。きっと当時の長男はそんな気分だったのかもしれません。それからは、できて当り前でも、ぼくだって褒めて欲しいという気持ちに意識して寄り添うようにしました。ごはんがきれいに食べられた、靴が揃えられた、着替えられたなど、「ちゃんと見ているよ」ということを長男に分かるように、「1人でできたね!」と言葉に出して言うようにしました。できて当り前が増えると、褒めてもらえなくなるなんて子供にしてみたら、残念なことでしかありませんよね。

親の愛情は兄弟が生まれたって減らない

それでも、長男が「お母さん~」と言っているときに、泣いている赤ちゃんのお世話を優先することもありました。きっと「もう赤ちゃんばっかり」という気持ちになったことも何度もあったでしょう。赤ちゃんが寝たあとは、長男を抱っこしたり、寝る前は絵本を読んだり、長男と過ごす時間を大切にしました。親が上の子への愛情は1ミリも減っていないということを伝え続けたら、時間がかかってもきっと分かってくれると思います。

(文・上野典子)


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