残念ながら夫婦としてやっていけないと判断したら、離婚を選択せざるを得ない場合があります。しかし、そんな場合でも、「失敗したくない」、「うまく離婚したい」と思うのが当たり前の心情です。今回は、やってはいけない離婚の条件を確認しつつ、理想の離婚の形についてお伝えしたいと思います。

やってはいけない離婚

1.衝動的で準備不足な離婚6か条

「もう我慢ならないと思って、即刻、相手に離婚届を突きつけてやった」なんていうのは、武勇伝でもなんでもありません。
離婚で一番大切なのは、事前準備だと言っても過言ではありません。衝動的な離婚は一番よくないパターンなのです。

2.条件を決めない離婚

「うちには子どもがいないから」、「たいした財産もないから」、そんな理由で離婚条件を何も決めずに離婚届を提出してしまう人がいます。離婚条件の取り決めは、メリットを得るためだけのものではなく、将来の予期せぬ紛争を未然に防ぐものでもあります。

例えば、いわゆる「清算条項」を入れておかなければ、時効が成立するまでの間、相手から何らかの金銭請求があったり、義務を負わされたりする危険があるのです。

3.口約束の離婚

何も決めないよりもましかもしれませんが、養育費や財産分与についての口約束は、約束をしていないのと一緒だと思った方が賢明です。よく聞かれるのが、「あの人は約束だけは守る人だから」とか、「さすがに自分で言ったことは守ってくれるでしょう。」という根拠のない信頼感です。離婚に至ってもなお相手への最低限の信頼感が残っているのは大変すばらしいことなのですが、現実はそう甘くはありません。

相手が再婚するかもしれません、その再婚相手との間に子どもができるかもしれません、仕事をクビになるかもしれません、そんなリスクを乗り越えるためにも、離婚条件は公正証書で残しておきましょう。

4.子どもを巻き込む離婚

離婚するほどの夫婦不和ですから、相手の負の感情も並大抵ではないでしょう。
しかし、その負の感情を子どもにぶつけてはいけません。相手の悪口を延々と子どもに言ったり、そのことに同意を求めたりするのはやめましょう。

「お父さんが私たちを見捨てて家を出ていったから、今はあなたを塾に行かせるお金がないの」などいう言い方はもちろんタブーです。
「お母さんはほかに男を作って家を出て行った」という直接すぎる表現も控えましょう。

ほかにも、子どもに伝言を頼んだり(子どもを介して交渉したり)、子どもを自分の主張を実現するために使ったりするのもNGです。

5.子どもを蚊帳の外に置く離婚

子どもを巻き込んではいけないと書いたことと矛盾するように思うかもしれませんが、夫婦の離婚に関し、子どもを蚊帳の外に置きすぎるのもよくありません。

多くの子どもは、自分自身も家族の一員なんだから、問題解決に加わりたいと考えています。逐一報告したり、子どもに決めさせたりするのはよくありませんが、折に触れて状況を説明したり、子どもの意見を聞くようにしましょう。

6.子どもを所有物化する離婚

日本の社会では、子どもは弱い者として保護の対象であり、親と一体のものとして考えられがちです。そのため、子どもを引き取る側の親が、「あんなひどい親には子どもは会わせない」などと、勝手に決めてしまうのです。

子どもは、どんな親でも大好きです。別居しているもう一方の親とも積極的に会わせてあげましょう。

いい離婚とは

ここまで書いた「よくない離婚」の裏を返せば、いい離婚ということになります。

離婚を相手に告げる前に、離婚に関する情報を収集し、しっかりと準備をしましょう。その上で、決めるべきことはきちんと決め、公正証書という形で残しておきましょう。

また、お子さんのいるご夫婦の場合、親の離婚に関するお子さんへの影響も無視できません。
もちろん、親のけんかを目の当たりにしなくてもよくなるなど、離婚によるプラスの影響もありますが、生活の基盤が揺らぐ不安はいかんともしがたいものがあります。子どものために離婚を我慢する必要はないと思いますが(それ自体が子どもに悪影響を及ぼすこともありますし、自分自身も大切です)、離婚をすると決めたならば、何事も子どもの気持ちに配慮しながら進めてもらえればと思います。

専門家:小泉 道子■専門家プロフィール:小泉 道子
離婚テラス(相談機関)」及び「 家族のためのADRセンター(法務省認証機関)」代表。家裁勤務経験をいかし、悩めるご夫婦の仲裁役として奮闘中です。

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