家の中には危険なものがいっぱい-乳幼児の誤飲の予防と手当ての方法


  • 出典:株式会社法研「らくらく育児百科」
  • 総監修:細谷 亮太 聖路加国際病院特別顧問 小児総合医療センター長

 家の中には、赤ちゃんが誤って食べたり飲んだりするかもしれない危険なものがたくさんあります。固形物、液体、薬、とがったものなど、飲んでしまったものによってとるべき対策は違いますので、あわてず冷静に対処することも大切です。

 はいはいなどを始めて行動範囲が広がった赤ちゃんは、しだいに手指の機能も発達してきて、両手に一つずつおもちゃを持てたり、持ち替えたりすることもできるようになります。指先も少しずつ器用になって、床に落ちているものをつまんで拾ったりもします。

 目に見えたもの、手に触ったものは、何でも口に入れて、その感触を確かめてみたいのです。

 家の中のさまざまなものは、赤ちゃんが誤って食べたり飲んだりすれば、危険な「毒物」「異物」となります。

 万が一、危険なものを飲みこんでしまったときは、すばやく適切な処置を行わなければなりません。

赤ちゃんは何でも口にします

 化粧品や洗剤、薬品など毒性のあるものは、赤ちゃんの手の届かない場所に、しっかりと保管しておきましょう。

 ボタンやビー玉などの固形物は、3歳児では、約39ミリ幅の大きさのものまで飲み込んでしまう危険性があります。

 赤ちゃんの口に入る大きさかどうかを調べるために、「誤飲チェッカー」というグッズもあります。家の中のどんなものまでが、赤ちゃんの誤飲の対象になるかを、あらかじめチェックしておくのもいいでしょう。

赤ちゃん・乳幼児の誤飲防止

一番多いのは、タバコの誤飲!

 赤ちゃんのいる家では禁煙が基本です。また、タバコや灰皿を部屋の中に置いておかないようにしましょう。

 特に、ジュースなどの空き缶を灰皿代わりにするのは絶対いけません。子どもが知らずに飲んでしまうと非常に危険です。水に溶けたニコチンは体内に吸収されるのが速いので、急いで病院に連れていきます。症状が悪化する恐れがあるので、何も飲ませてはいけません。

 固形のタバコは、食べた量が2cm以下なら、口内のタバコを取り除き、4~5時間ようすを見て、異常がないことを確認する必要があります。

赤ちゃん・乳幼児のタバコの誤飲

もし、飲み込んでしまったら

 落ち着いて、「何」を「どれくらい」飲んだか、「赤ちゃんがどんな状態か」をチェックしてください。 「吐かせる」「吐かせない」の判断も重要です。不安なときは中毒110番などに相談してください。

*吐かせると危険。すぐに病院へ直行

吐かせると気管に入り肺炎を起こす恐れもあります

・強酸・弱アルカリ製品

トイレ用洗剤

赤ちゃん・乳幼児の針や画びょうの誤飲

・お風呂用洗剤

漂白剤

カビ取り剤

配管洗浄剤

赤ちゃん・乳幼児の洗剤の誤飲

・農薬類

殺虫剤

除草剤

生石灰

赤ちゃん・乳幼児のガソリンの誤飲

・危険な固形物

画びょう

安全ピン

ガラス

赤ちゃん・乳幼児の漂白剤の誤飲

・石油製品

灯油、ガソリン

シンナー、ペンキ

マニキュアの除光剤

ワックス

赤ちゃん・乳幼児の殺虫剤の誤飲

*すぐに吐かせる

油脂に溶けるので牛乳は飲ませず、必ず水を飲ませて吐かせる

ナフタリン

赤ちゃん・乳幼児の防虫剤の誤飲

防虫剤(パラジクロルベンゼン)

赤ちゃん・乳幼児のナフタリンの誤飲

(しょうのうは水を飲ませ吐かせずに病院へ)

*水か牛乳を飲ませて、毒性を薄めて吐かせる

キッチン用洗剤

赤ちゃん・乳幼児のアルコールの誤飲

赤ちゃん・乳幼児のコーヒーの誤飲

整髪料

赤ちゃん・乳幼児のキッチン用洗剤の誤飲

コーヒー

赤ちゃん・乳幼児の化粧品の誤飲

タバコ

赤ちゃん・乳幼児のタバコ誤飲2

アルコール

赤ちゃん・乳幼児の薬の誤飲

化粧品

赤ちゃん・乳幼児の石けんやシャンプーの誤飲

石けん、シャンプー

赤ちゃん・乳幼児の整髪料の誤飲

*口の中をぬぐってようすを見る

ただし、大量に飲んだり、ようすがおかしいときは病院へ

マッチ

赤ちゃん・乳幼児の体温計の水銀の誤飲

芳香剤

赤ちゃん・乳幼児のマーカーペンの誤飲

乾燥剤

赤ちゃん・乳幼児のマッチの誤飲

マーカーペン

赤ちゃん・乳幼児の口紅の誤飲

蚊取り線香

赤ちゃん・乳幼児の蚊取り線香の誤飲

クレヨン、クレパス

赤ちゃん・乳幼児の芳香剤の誤飲

体温計の水銀

赤ちゃん・乳幼児の粘土の誤飲

口紅

赤ちゃん・乳幼児のクレヨンやクレパスの誤飲

粘土

赤ちゃん・乳幼児の乾燥剤の誤飲

*飲み込んだものにかかわらず、意識がないとき、けいれんを起こしたときは、すぐに救急車を呼び、赤ちゃんが飲み込んだものの容器を持って病院へ連れて行きましょう

異物や毒物を飲み込んだことに気づいたら

*吐かせ方

赤ちゃん・乳幼児の誤飲の対処1

 子どもの背後から抱きかかえるように両腕を回し、子どもの胃のあたりで左右の手を組んで、突き上げるように数回強く引いて吐かせます。

赤ちゃん・乳幼児の誤飲の対処2

 大人の片腕か立てたひざの上に、子どものおなかをのせて圧迫し、背中を強く押すように手で数回たたいて吐き出させます。

赤ちゃん・乳幼児の誤飲の対処3

 飲んだ異物が見えるようなら、指でかき出すか、指で舌のつけ根を押して吐かせます。

 異物を飲み込んでも、気管に詰まることなく、胃に入ってしまうことがあります。たいてい2~3日のうちに便といっしょに出てきますので、その後の排便に注意して、飲み込んだものがちゃんと出たかどうか確認しましょう。

 便に出てしまえばほぼ問題はありませんが、腹痛や吐き気がないか、数日ようすを見守る必要があります。

赤ちゃん・乳幼児の誤飲の対処4

石けんなど毒物の吐かせ方

 吐かせてもよい物質であれば、ママかパパの指で、舌の奥を押し下げて吐かせます。指で口の中を傷つけたり、吐いたものが気管に詰まらないように注意しましょう。ただし、赤ちゃんに意識がないとき、もうろうとしたり、けいれんなどの中毒症状があるときは、すぐに救急車を呼びましょう。

 呼吸や脈拍に注意して、必要なら人工呼吸や心臓マッサージを行ってください。

赤ちゃん・乳幼児の誤飲の対処5

危険予防

 ピーナッツは誤って気管に入ると、水分を含んで取り出しにくくなるのに加えて、油分による難治性の肺炎になる危険があるため、乳幼児には絶対に与えてはいけません。

 2歳前の小さい子どもは、おもちやアメ玉はもちろんのこと、りんごなどの果物や、いも類などものどに詰まらせやすいので、小さく切って与えましょう。

赤ちゃん・乳幼児の誤飲の対処6

*ものを飲み込んでせき込んでいるとき

 ものを飲み込んで、せき込んでいるときは、異物が気管に入ったためと考えられます。吐かせるときのように背中を数回たたき、それでもせき込むような発作が長く続いてしまうようなら、専門の医師の診察を受けましょう。

受診するときの注意

 毒物の種類や量、どのくらい前に飲んだかを説明できるよう確認しておきましょう。

 できれば、毒物の入っていた容器や空きびんを持参するとよいでしょう。何の成分が入っていたかなどの判断材料になります。

赤ちゃん・乳幼児の誤飲の対処7


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